初インタビューのお相手は、SNSを通じてかれこれ5年以上の付き合いになる「すぎはらあやめ」さん。
ともすれば暗くなりがちな転勤生活ですが、あやめさんはネガティブすぎるところがなく、かといって無理をしている様子もない、フラットな人。
ケセラセラ(なるようになる)という言葉がぴったりのあやめさんに「地方と都会の違い」「転妻の仕事」を中心に聞いてみました。
【あやめさん】
- 転勤履歴:東京→北海道(帯広市)→神奈川県(横浜市)
- 家族構成:夫、私、4歳半男児
地方(帯広)での生活、車がなくてもなんとかなった

現在、神奈川県に住んでいるあやめさん。以前の赴任先は北海道の帯広でした。
「地方転勤」と聞くと大変そうなイメージがありますが、「都会」と「地方」両方経験したあやめさんの感想は?
–帯広は神奈川と比べるといわゆる田舎ですが、徒歩圏内にカフェや雑貨屋さんがあったり、すごく小さいけれどイオンもあったりで、生活には困りませんでした。
でも雪道の運転が怖いこともあって車を買わなかったので、基本平日は引きこもりでしたね。
帯広であやめさんに友達が増えたきっかけは、地元のフリーペーパーを制作している「しゅんプラス」が主催する「転勤族ミーティング」だそうです。そこで思いがけない嬉しいことが。
–「ブログ見ています」と声をかけてもらえたんです。帯広には地域ブログを書いている人は多くなかったので、予想以上の人がブログを見てくれていて。すごくうれしかった!転妻ならブログやりましょう、ブログ!!!
【あやめさん的、地方転勤の心得】
・賃貸マンションが少ないため、社宅になる可能性が高い(超ぼろい家になる可能性が…泣)
詳しくはこちら→
転勤族の奥様、みなさんの社宅はどんな感じですか?ボロ自慢するよ! #転勤族 | Bunten 運動神経ゼロの「走るライター」すぎはらあやめのブログ
・その土地にいないといけない場所に行ける。転勤がなければ北海道には住むことはなかった。
詳しくはこちら→憧れのツリーハウスに宿泊!北海道十勝・鹿追町「三部牧場」が楽しすぎる! | 北海道 | LINEトラベルjp 旅行ガイド
・病院は子育てタクシーを利用。意外と何とかります
都会(神奈川)での生活、最初はつらかった

次の転勤先は、現在住んでいる神奈川県。帯広に比べて人口もお出かけ場所も多いし、きっと暮らしやすくなったはずだ、と思いきや……。
–子どもが生後半年の時に神奈川に来ました。
わたしの住んでいるところはいわゆるニュータウンで、街はベビーカーだらけ。だから他の親子と自分の様子を比べてしまうんです。最初はそれがつらかった。
息子は超活発でおとなしくしていられないタイプ。ご飯を食べようとお店に入っても、わたしは全然くつろげませんでした。
ほかのママさんが赤ちゃんの隣でゆっくりお茶をしているのを見るとつらかったです。お昼寝してくれる時間にホッとしたのを今でも覚えています。
育児のちょっとした疑問や不満を言える相手がいないのも、引っ越ししたての転勤族のつらいところ。
子育てイベントに参加しようと思っても、場所が遠かったり時間が合わなかったりで参加できなかった経験、きっとだれもがありますよね……。
ランチ会に参加しても、子どもが一緒だと子どもに注意がいってしまい、ろくに話をしないまま終わってしまった…という人も多いはず(わたしのこと)

だからといってあきらめるのではなく「だったら自分で作っちゃえばいいんじゃない!?」と思うのがあやめさん。
友達と一緒に子育てサークルを立ち上げました。
—サークルの立ち上げに書類を書きに行ったりチラシを作ったり。元気いっぱいの息子と一緒に手続きに通うのは大変でしたが、親子で気兼ねなく遊べておしゃべりもできて、作って良かったと思います。
大好きな講師の方(会田夏帆さん)を呼んで、ぐちゃぐちゃ遊びをしたことが一番の思い出かな。(現在は解散しています)
保育園ではママ友トラブルがないので、気楽に
現在はお子さんを保育所に預けて働いているあやめさん。わたしの娘2人は幼稚園っ子なので、保育園のママ友関係が気になります。保育園もママ友トラブルってあるのか聞いてみました。
–みんな働いているので、本当に挨拶だけですね。参観などの後にランチでも……なんて話にもなりません。そのまま解散です。
3年目にして、先生の送別会のためにやっとライングループができたぐらい。ママ友とのトラブルなどはなく、気楽です。
転妻の仕事は役所がオススメ。非公開情報があるかも!
いつ転勤になるかわからない転妻を雇う、理解のある会社は少ないもの。あやめさんはどのようにして仕事を見つけたのでしょうか?
–わたしは国家資格を持っているんですが、北海道では求人がなかったこと、求人があったとしても雪が多くて仕事に通えないことなどがあって、資格があるからといって仕事ができるわけではない、ということに気づきました。
神奈川で仕事先に恵まれたのも、もともと職場の人と知り合いだったからです。だから働けるかどうかは住んでいる場所と生活状況次第だと思います。
転勤族がパートをするなら、役所関係がオススメ!転勤に理解があるのが何よりです。募集はサイトに出ているとは限りません。実は窓口に行けば、ネットにない情報を教えてくれることがあるんですよ。
パートに出ようと思っている人は、転入手続きのついでに聞いてみてください!ついでにオススメの飲食店などを聞くのもオススメですよ~
転勤生活は、自分の気持ちに正直に
SNSを見てもブログを見ても、読んだこちらが憂鬱になるような書き込みがないのがあやめさんの特徴。
ご主人も穏やかな人のようで、愚痴を言いあったり罵りあいのケンカになったりしないんだそう(うらやましい)
–単身赴任のタイミングについては、子どもが小学校3年生のときに考えようと思っています。ずっとついていきたいという気持ちはあるものの、受験(内申)のことを考えるといつまでも帯同するのは無理なのかなと。
実際は「なるようにしかならないよねー」と夫婦で話しています(笑)
「なるようにしかならない」転勤生活を楽しむために、あやめさんが工夫していることを5つ教えてもらいました。
- 自分の気持ちに正直に行動する
–居場所づくりにジタバタしちゃう時期はジタバタするようにしています。落ち込む時期は思いっきり落ち込む、といった具合に。
- 引っ越しってすぐは節約禁止
–引っ越しは物入りなのでついつい節約しようと考えてしまうけれど、多少お金をかけたほうが精神的に安定します。
- 自分の好きなことをはっきりさせる
–自分が好きなことは何かを考えます。できれば都会でも地方でもできることの方がいいですね。(あやめさんはマラソン!どこに行ってもできますよね)
- 喫茶店で常連になる
–喫茶店でおすすめの店や病院、美容院などを聞きます。都会だったらネットでなんでも調べることができますが、地方ではWEBより紙や口コミが圧倒的に強いです。
- 住んでいるところを批判しない
–たとえば地方転勤になった場合、地元の人には絶対に「田舎」と言わないようにしています。相手が言うのはいいのですが、こちらから言うと批判や悪口にとられかねません。
逆にいいと思ったところをほめると、その土地のことをたくさん教えてくれます。
「今いる場所で、できることをする」

一方的で理不尽とも思える転勤生活を「なるようにしかならないよね」と笑って話すあやめさん。すごくうらやましく感じました。
あやめさんのように「今いる場所で、できることをする」という考え方が、長い転勤生活を乗り切るうえで必要なことかもしれません。
「人生の折り返しにできることを」と、あやめさんが始めたのがランニング。チャレンジの様子がわかる記事はこちらから→