【じぶんのための読書ログ】

角田光代【人生ベストテン】

twitterでおすすめしてもらい、初めての角田光代。
八月の蝉とか紙の月とか書いてる人なんやね。
 

人生ベストテンとは

角田光代の短編集。
40歳を目前にして、人生のイベントベストテンを自虐的に並べてみれば、我が身には25年間、なにも起きてはいないのだ。年相応の達成感も充実感もない日々に愕然としながら、私は岸田有作に会いに行く。13歳の夏に恋をした相手に――どこにでもある出会いが生み出す、おかしくいとしいドラマ、全6篇。
 

内容

小説やから内容ってのも難しいので、以下わたしの感想。
 

登場する女性たちのコト

いやー、全編共通してなんか生々しい。
女性は誰しもがなんとなく、これ自分のこと?(もしくはあの人のこと?)って思うポイントがあるんじゃないかしら。
 
 
「話に枝葉の部分が多い女」とか。
「ガーッと自分の言いたいことだけ順序立てずにしゃべって、聞く相手がいちいち途中で質問を挟まんといかんアナ(アナと雪の女王)みたいな女」とか。
「グチグチグチグチ、口開いたら文句ばっかりの母親」とか。
 
女の嫌な部分というか、あんまり見たくないところを描くの、うますぎる。
 
 
この本に出てくる女性は、なんで初対面の相手に、相手の気持ちや都合も考えずにいらんことを言う(自分の感情をぶつける)のか……。途中、ちょっとムカムカくるほど。
 
 
奥田英朗の描く女性も、これわたしのこと?なんて思わされたり、その辺ににいそうな気がしたりとリアリティあるんやけど、角田光代の描く女性に比べるとどこかかわいい。
 
やっぱり異性から見た女と、同性から見た女の違いやろうか。
 

自分の人生ベストテンって何かな

本のタイトルとなっている「人生ベストテン」では、いままでの人生の中で起こった出来事をランキングする女性が出てくる。
 
彼女は、自分の人生でベストテンに入る出来事は、すべて18歳までに起こっていることをむなしく思っている。
 
で、わたしのベストテンは何かと考えた。
ちょっと考えてみたけど、36歳になるというのにそんなにおおきな出来事が10個も思い浮かばない。
 
これから残りの4つを加えていけばいいのか、過去の傷口をふさいでる絆創膏を剥がしてみるべきか…と余計なことを考える。
 
とはいえ、ドラマティックな人生よりも「ふつう」も人生でいいのだ。いちばん得難い「ふつう」でいい。
 

一番印象に残ったところ

ラストの短編「貸し出しデート」に、町の祭りの最中に夫婦が買い物に行く描写がある。
 
同じ祭りを過去に二人で歩いたとき見た風景と、今見る風景が全く違うことに気づいて、妻が思う。
 
そのとき、私はぽっかりと気づいてしまった。前を歩く男をこれっぽっちも愛していないということに。
 
わたしの今見る風景が生き生きとして見えるのは、多分こどもと一緒だから。
もしこどもがいなかったら、もしこどもが大きくなって隣にいないとしたら、旦那とみる風景をどう感じるんやろう。
 
もしかしてこの妻と同じように思ってしまうかもしれない。
 
 
※2017年10月22日