関西独立リーグ

【レポ】兵庫ブルーサンダーズ「ブルサン10周年感謝の集い」

11月2日(土)13:30~ 、キッピーモール6階 多目的ホール で「ブルサン 10周年感謝の集い」が開催されました。兵庫ブルーサンダーズを支えてきたスポンサーやファンを対象とした、関係者限定のイベントです。

兵庫ブルーサンダーズの10年間を振り返りながら、今後の発展を誓った約2時間半の式典。その模様を一部、ご紹介します

概要

式はおおむね、次のような流れで進みました。

開会のあいさつ→来賓の方のあいさつ→10周年を迎えて感謝の言葉→10年を振り返ったエピソード→あの人は今(OB選手、スタッフからの感謝の言葉)→サプライズゲストの紹介→スポンサーの支援に対する感謝→首脳陣からのあいさつ→閉会、記念撮影

来賓の方、スポンサーやファン、OB選手からたくさんのエピソードが語られ、楽天の田中耀飛選手、巨人の山川和大投手、ブルペンキャッチャーの木山裕貴選手からはビデオレターが届きました。

バラエティに富んだ引退後の道

兵庫ブルーサンダーズを引退後、新たなフィールドで活躍するOB選手たち。「あの人は今」のコーナーではOB選手が登壇し、現在の様子について報告しました。

 

  •  今村さん…愛知県の大学・高校の硬式野球部でコーチを務める

「ブルサンの試合を観に来てくれていた当時中学生の子が、今大学の野球部で選手として活躍しています。こんな日が来るとは思いませんでした。良いつながりだなと思いながら、一緒に野球をしています」

  • 木村さん鍼灸師の資格を取得。現在はブルサンのトレーニングコーチを務める

「今年チームが優勝できました。今後もチームの力になりたいです」

  •  土肥さん…ウガンダから来たカベンゲ選手、カトー選手の支援をしている

「球団が10年続いたからこそ、彼らがここにいる。その価値を身にしみて感じています」

  •  藤崎さん…東京都墨田区で区議会議員として活動中

 

  •  高橋さん…今年9月から不動産会社で勤務

「住まいをお探しの方はぜひお声掛けください!全力で物件を探します」 

  • 長澤さん…特別支援学校勤務
  • 向谷さん…楽天イーグルスを経て、現在はヒーローインタビューに勤務。むーたくんという名前で、ユーチューバーとしても活動中。むーたくんtvはこちら 

 「プロ入りの記者会見のときは頭が真っ白になり、隣にいた山崎監督に『新幹線より足が速いと言え』とアドバイスされて、本当にそれだけしか言えませんでした。楽天では、育成から支配下までの道がとても遠かったです。
今は野球の道具が必要なところに届ける支援もしています。バトンパスというサービスを通じて、ブルサンにも支援者からの野球道具を提供することができました」
 

サプライズゲストは井川慶投手

この日のスペシャルかつサプライズゲストは、井川慶投手。

(元メジャーリーガー。NPBでは阪神とオリックスで活躍。2017年ブルサンに在籍し、成績は11勝0敗、防御率1.09、94奪三振)

井川投手は「あの人は今」のコーナーで他のOB選手とともに登壇。選手たちに「たくさん練習してください、そうすればプロの道も開かれる。そして三田市の皆さんにも恩返しができる。」とエールを送っていました。
また「この中で結婚されている方はいますか?」「お子さんはいらっしゃいますか?」という問いかけにも、手を挙げる形で快く答えていました。

 挨拶がおわり、壇上から席に戻ろうとした井川投手。その途中で「本日のサプライズゲストは井川投手です!」と再度紹介されてびっくり顔に。「え?もう一回?」と苦笑いしながらも、いやな顔一つせず、二度目のスピーチをしていました(言うことがなくなり、途中強制終了)。

(余談ですが、帰りのエレベーターで井川投手と一緒になりました。人が乗り降りやすいよう「開」ボタンを押して待っていてくれた井川投手。人柄の良さがにじみ出ています。惚れてしまうやろ……)

そんな井川投手は、式典のあとに開催されたOB戦に先発出場。2回を投げ、無失点でマウンドを降りました。昨年のOB戦では代打出場した井川投手。
「今年バッターボックスに立つ予定はありますか?」と聞くと、「なるべくならやりたくないんです。本当に、めちゃくちゃ手が痛くなるんで」との答えが返ってきました。
井川さんがピッチャーとして、今もコンディション管理をきちんとおこなっているということに気づかされた答えでした。

井川投手の投げる球がキャッチャーミットにおさまる際の「ズバン」という音は、誰よりもシャープで大きく響きます。その音を聞くたび、目の前で投球を見るたび、もっとずっと井川投手を見たいと思います。

(OB戦でのベンチレポートでは、橋本コーチが井川投手にラブコールを送っているとの話がありました。来シーズン、橋本コーチと井川投手が並んでベンチに座る姿を期待しています!!!)

野球の裾野を広げたい、キッズクラブ

昨年からスタートした「キッズクラブえがお」からも参加者が数名。

「プロから野球を教えてもらえる貴重な機会。バッティングを思いっきりできたのがうれしかった。選手たちがいつも親身になってくれることが印象的です」などといったメッセージが寄せられました。


キッズクラブえがおとは、選手と一緒に運動やボール遊びができる、子ども向けのスポーツ教室です。軽い運動だけでなく、レベルや希望に応じてバッティングやピッチングの指導を受けることもできます。
月1回500円という嬉しい価格もあって、ジワジワ人気がひろがりつつある「キッズクラブえがお」。お問い合わせは球団事務局まで(急に宣伝っぽくなってしまった) 

山崎監督・インパルス永山監督からのメッセージ

長年にわたり、独立リーグでコーチ・監督として指揮を執ってきた山崎監督。今季はチームを2年ぶりの優勝に導きました。

スポンサーやファンへ感謝の気持ちを伝えるとともに「監督としては成功」と自身のこれまでを振り返った山崎監督。来季は兵庫ブルーサンダーズを退団し、関西独立リーグではなく、新たなステージへ挑戦することを表明しました。
「関西独立リーグでの功績が認められたのかも」と話した山崎監督の、今後にも注目です!

インパルス(兵庫ブルーサンダーズのファームチーム)の永山監督
「私はプロで活躍した多くの選手を見てきました。彼らはずば抜けた才能があったのではない。誰よりも多くの努力をしていた」と、この先NPBを目指す選手たちに熱く訴えていました。

地域貢献活動と選手のセカンドキャリア

(三田祭りの総踊りに参加する選手たち)

 

スポンサーや支援者の方の話で改めて実感したこと。それは、球団の地域貢献活動の重要性です。「おらが町の球団」としてこれからも愛され続けるためには、球団の地域貢献は欠かせません。

今でも選手たちは、あいさつ活動や三田祭りなどに参加し、地域貢献活動をしています。過去にはスポンサーの方からの提案で、畑で作ったジャガイモをお祭りで売るなどの試みもしていたとのこと。とても興味深いエピソードでした。

地域貢献活動は、球団のファンを増やすことだけでなく、選手のセカンドキャリアにもつながります。地域の皆さんに顔を覚えてもらうこと、応援してもらうことは、引退後の雇用につながるかもしれません。地域でユニークな経験をすることによって、新しい価値観や強みを発見できるかもしれません。

高知ファイティングドッグスの地域貢献について書かれた本:「牛を飼う球団」

(余談)三田・だ・エスペランサの由来は、チリにあった

兵庫ブルーサンダーズを運営するNPO法人、三田・だ・エスペランサ

「三田の野球チームを運営するのに、サッカーチームみたいな名前やな」と思ったことはありませんか?この日ついに(!)当時を知る方の話から、その由来が明らかになりました。

「三田・だ・エスペランサ」の由来は、チリのサンホセ鉱山で発生した2010年の落盤事故だそうです。崩落により多くの男性鉱山作業員が閉じ込められるも、無事全員が救出されたこの事故、「チチチ・リリリ!」という掛け声が、記憶に残っている方もいるかもしれません。

懸命に救出作業がおこなわれる中、作業員の妻が女の子の赤ちゃんを出産しました。赤ちゃんの名前はエスペランサ。エスペランサはスペイン語で「希望」を意味します。明るいニュースは世界中を文字どおり「希望」で照らしました。

 このことにあやかり「兵庫ブルーサンダーズも三田での希望になるように」と名称を「三田・だ・エスペランサ」にしたとのこと。長年の謎が解き明かされた瞬間でした(言い過ぎ?)

エスペランサに満ちた球団に!

「たくさんの人々とその思いに支えられてきたからこそ、球団が継続している」ということを改めて感じた「ブルサン10周年感謝の集い」
山崎監督のほか、選手の進路についてもうれしい報告があり(球団からの正式発表をお楽しみに……)、感謝と驚きの2時間半でした。

これまでの10年を大事にしながら、今後の兵庫ブルーサンダーズが、エスペランサに満ちた球団となりますように!

 (後任監督が誰になるのか、橋本コーチが口説いているという井川投手のチームへの復帰はあるのか、目玉となる新入団選手はいるのか……などなど、シーズンオフの動きも注目ですよ~!!!)